集約型溶融資源化システム

私たちの生活から出たごみは各地の清掃センターで焼却処理されたのち、その灰を埋立する方法が多く採用されています。一方で各地の埋立処分場の容量は年々減少しているなか、災害廃棄物発生時にも対応できるような処分場容量の安定確保が求められています。さらには、生活ごみに含まれていた有用な金属資源も未利用のまま地中埋め立て処分されたことで、リサイクルのできない社会システムとなっていました。
本研究会ではこれらの課題を解決するため、「還元溶融方式による集約型溶融資源化システム」が有効な手段であると考えています。1,500℃以上の高温で焼却灰を溶融することで、人工石材の溶融還元石、有用金属を含む溶融メタルや溶融飛灰を生産して再資源化を図っています。還元雰囲気下での溶融で、焼却灰に含まれる亜鉛、鉛、カドミウムなどの低沸点の重金属類は、溶融飛灰として抽出して分離回収することができるとともに、ダイオキシン類や環境ホルモンを高温熱分解し、生産した溶融還元石は環境安全品質基準を満足する優れたリサイクル資材として社会へ提供して、天然資源の採取削減、環境保全に貢献しています。

本システムの特徴

1.環境保全

焼却灰中のダイオキシン類や重金属を同時に分離・抽出することができるので、土壌汚染および水質汚濁を防止することができます。


2.埋立処分ゼロ

焼却灰は溶融メタル、溶融還元石および溶融飛灰にリサイクルされた後、精錬原料や土木資材として使用しますので、埋立処分地は不要になります。


3.省資源

焼却灰に含まれる有用金属を抽出回収し、都市鉱山の機能を果たすことで、鉱山採掘に伴う地球環境への負荷を低減することができます。
また、溶融還元石は土木資源として有効利用しますので、天然石・山砂などの天然資源採掘を回避できます。